「限界カクテル」が危険な本当の理由

この記事のポイント
  • ジョッキ半分のウイスキー(200ml)は純アルコール約64g。国の目安(1日約20g)の3倍以上
  • 甘さと酸味でアルコールの刺激が隠れ、一気に飲めてしまうのが最大の罠
  • ストエナは「酔っているのに眠くならない」状態を作り、飲みすぎを招く

限界界隈で語られる2つの危険な飲み方

ネットの限界界隈では、ときどき「自作カクテル」が話題になります。代表的なのが次の2つです。

  • ストエナ:ストロング系チューハイとエナジードリンクを混ぜたもの
  • 自作爆弾ハイボール:ジョッキにウイスキーを半分注ぎ、ガムシロップとレモン汁と水道水で割ったもの

どちらも「おいしく味わう」ためではなく、「安く手っ取り早く酔う」ことに特化した飲み方です。作中のアルねこが飲んでいても違和感のない、まさに限界界隈の飲み物と言えます。

この記事について
  • 作り方を勧める記事ではありません。なぜ危険なのかを、数字で確認するための記事です。

ジョッキ半分のウイスキーは何グラムの純アルコールか

お酒に含まれる純アルコール量は、「量(ml)× 度数 × 0.8」で計算できます。

飲み物量度数純アルコール量
ビール(中瓶1本)500ml5%約20g
ストロング系チューハイ(ロング缶)500ml9%約36g
ウイスキー(ダブル)60ml40%約19g
ジョッキ半分のウイスキー200ml40%約64g

厚生労働省は、節度ある適度な飲酒の目安を1日平均で純アルコール約20gとしています。ジョッキ半分のウイスキーは、この一杯だけでその3倍以上です。

さらに、ガムシロップの甘さとレモンの酸味はアルコールの刺激を隠してしまいます。度数の割に飲みやすくなり、一気に飲めてしまう。炭酸で割らない分だけ口当たりも重くならず、ここが最大の落とし穴です。

ストエナは「酔っているのに覚醒している」状態を作る

ストロング系チューハイは度数9%前後のものが多く、ロング缶1本で純アルコールは約36gになります。

これにカフェインの多いエナジードリンクを混ぜると、体は酔っているのに、眠気や酔いの自覚が鈍くなります。その結果、本来なら眠くなって止まるはずの量を超えて飲み続けてしまいやすくなります。

アメリカでは、カフェイン入りの高アルコール飲料が若者の救急搬送などで問題になり、2010年に食品医薬品局(FDA)がメーカーに警告を出し、カフェインが取り除かれた経緯があります。

締め切り前の漫画家や夜通しの配信者が「燃料」として流し込む、という話もネットでは語られますが、疲れ切った体にアルコールとカフェインを同時に入れるのは、体への負担を重ねるだけです(漫画家の格差/限界配信者)。

共通点は「脳を強制シャットダウンする」こと

ストエナ自作爆弾ハイボール
方向性覚醒させながら麻痺させる一気に血中濃度を上げて意識を落とす
危ないところ酔いの自覚が鈍り、飲みすぎる甘さで飲みやすく、量の感覚が狂う
共通点安く、手早く、脳を強制的に落とす安く、手早く、脳を強制的に落とす

方向は違いますが、どちらも「安く脳を強制的に落とす」ための飲み方です。

こうした飲み方が習慣になっているなら、それ自体が危険な飲酒のサインかもしれません。依存のしくみは依存症マップで解説しています。

飲酒が気になるとき・緊急のとき
  • 飲酒量が気になるときは、かかりつけ医や精神保健福祉センターに相談できます。
  • 周りに、呼びかけに反応しない・呼吸がおかしい・吐いたまま動かない人がいたら、迷わず救急車(119)を呼んでください。横向きに寝かせ、ひとりにしないことも大切です。

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